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内痔核硬化治療法

いぼ痔を切らずに注射で治す。

潜在患者も含め、多くの方が痔(じ)で悩んでいるといわれています。しかし、直接命に関わらない上に、恥ずかしさなどから医療機関に行くのをためらっているの患者が多いのが現状となっています。

「いぼ痔は注射で治る」ということを説明しているイメージ画像です。

そうした中、昨年3月に最新の薬物注射療法が登場しました。
その療法は「手術せずに済む」、「治療後の痛みや出血が少ない」など多くのメリットがある、
まったく新しい痔の治療法です。

内痔核とは?

痔核は、俗にいぼ痔といわれ、元来、肛門を閉じるのに役立っているクッション部分が大きくなった病気です。患者数が最も多いとされ、直腸側にできる内痔核と肛門側にできる外痔核とに分けることができます。

4段階に分けられる内痔核
  • I度 : 肛門から内痔核の脱出はしていないが、排便時に出血を伴うことが多い。
  • II度 : 排便時に内痔核が脱出するが、自然に戻る。
  • III度 : 排便時に内痔核が脱出し、指で押し込まないと戻らない。
  • IV度 : 排便に関わらず内痔核が脱出したままで、指で押し込んでも戻らない。

最新のいぼ痔治療

当院では、昨年3月23日から販売された脱出する痔核にも有効な内痔核治療の注射剤、「硫酸アルミニウムカリウム・タンニン酸注射液」による治療法を実施しております。

硫酸アルミニウムカリウムは注射部に強い炎症を生じさせ、組織の線維化をもたらします。また、タンニンはたんぱく質を凝固させ、血管を収縮させます。これにより、出血症状が改善され、組織の線維化により、脱出症状も改善されるのです。

治療の流れ

当院では1泊2日の入院による治療と、日帰りによる治療を行っています。
具体的な治療の流れは次のようになります。

  1. まず肛門を取り巻く括約筋を麻酔で緩めます。
  2. 次に内痔核一つにつき、
    (1)痔核上側の粘膜下層
    (2)痔核中央の粘膜下層
    (3)痔核中央の粘膜固有層
    (4)痔核下側の粘膜下層
    の4ヵ所を順に治療薬を注射します。
  3. 痔核へ流れ込む血液の量が減ることにより、出血が止まります。
  4. 徐々に脱出の程度も軽くなり内痔核が縮小します。
    注射療法後、1週間から1ヶ月くらいで脱出していた組織が元に戻り、脱出がなくなります。

四段階注射法を説明したイラストです。

手術と同程度の消失率

全国10医療機関において、脱出する痔核に対して、従来の手術と本療法を行い比較したところ、28日後の脱出の消失率は、本療法で94%と手術と同程度の結果を示しました。
また、本療法後1年間の再発率は16%と良好でした。

痔の予防に心掛けること

痔には日々の予防を心がけることが大切です。痔にならないように、次の事柄に注意をしてください。

  • 体を清潔に保つために毎日入浴する。
  • 排便時にいきまない。
  • 排便後は肛門を水で洗う。
  • 食物繊維・水分をしっかり摂取する。
  • お腹を冷やさないようにする。
  • 適度な運動に励む。
  • 刺激の強い食べ物を避ける。
  • 同じ姿勢でいない。

※本ページは、週間朝日2006年3月31日号掲載、社会保険中央総合病院副院長岩垂純一氏の寄稿を引用しております。

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