直腸脱とは、肛門から直腸が脱出する状態のことです。脱肛というのが痔核が基点となって肛門が外に脱出するのに対し、直腸自体が脱出します。
骨盤の支持組織が弱くなりますと、直腸S状結腸の下垂がおこり、直腸S状部で重積(靴下やストッキングを脱いだときに一部がひっくり返り重なってしまう状態)下垂がおこることがあります。これに肛門括約筋の機能不全が加わると直腸が肛門外に脱出反転します。
直腸脱は高齢者に多くみられ、高齢者の増加とともに近年非常に増加しました。当院でも、年間の肛門手術の約1.3%で、年々増加の傾向がみられます。性別では女性が多く、子宮脱(子宮が膣から脱出すること)を合併することもあります。まれに幼少児にみられることもありますが、就学年齢にはほとんど自然治癒します。


直腸全層が全周性に脱出するもので、もっとも多い形です。内腔を中心に同心円状に脱出します。