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直腸脱について

直腸脱とは、肛門から直腸が脱出する状態のことです。脱肛というのが痔核が基点となって肛門が外に脱出するのに対し、直腸自体が脱出します。

骨盤の支持組織が弱くなりますと、直腸S状結腸の下垂がおこり、直腸S状部で重積(靴下やストッキングを脱いだときに一部がひっくり返り重なってしまう状態)下垂がおこることがあります。これに肛門括約筋の機能不全が加わると直腸が肛門外に脱出反転します。

直腸脱は高齢者に多くみられ、高齢者の増加とともに近年非常に増加しました。当院でも、年間の肛門手術の約1.3%で、年々増加の傾向がみられます。性別では女性が多く、子宮脱(子宮が膣から脱出すること)を合併することもあります。まれに幼少児にみられることもありますが、就学年齢にはほとんど自然治癒します。

直腸脱のイメージ画像です。

分類

完全直腸脱 直腸脱(脱出時)の写真です。直腸全層が全周性に脱出するもので、もっとも多い形です。内腔を中心に同心円状に脱出します。
右の写真は、直腸脱(脱出時)写真です。同心円状、全周性に脱出しているのが認められます。粘膜は肥厚して浮腫状態となっています。
不完全直腸脱 直腸粘膜あるいは直腸の一部のみが脱出するもので、内痔核やポリープが原因のこともあります。
不顕性直腸脱 直腸内に直腸の重積はおこっていますが、肛門外に脱出していない状態です。

症状

不顕性直腸脱では排便障害を訴えられる患者さんが多いです。便が一度に出きらないため、残便感が伴います。完全または不完全直腸脱では脱出した粘膜より粘血性の分泌液がみられます。もちろん排便障害と肛門部痛や違和感を訴えられる方も多いです。

診断

肛門は弛緩し(緩くなっていること)、指を4〜6本挿入することができます。直腸診察の際直腸の粘膜が指にからみつくようなこともあります。
体位を和式便所での排便姿勢や中腰になってもらうと肛門の反転を認め、下垂が2センチから10センチ以上に及ぶときもあり、容易に診断できます。

治療

直腸脱は高齢者に多く、手術を希望しない方が多いので、そのような場合は本人または付き添いの方が脱出した直腸を指で押し込み、ゴム製の痔バンドで押さえておくという方法もあります。
しかし、治癒を望まれるなら手術適地料が必要となります。手術の術式として、経肛門的(肛門から手術をする)に行うか、開腹手術で行うかに分かれますが、通常まず経肛門で手術します。

経肛門手術 Gant−三輪法(脱出した直腸の粘膜を、絞り染めの時に布を絞るように、非常に数多く小さく絞り上げて余った粘膜を縮める方法)
肛門輪収縮法 Thiersch法(肛門の弛緩に対して肛門をワイヤーやナイロン糸で狭める方法)
開腹手術 開腹して、腸の切除や骨盤に腸を固定したりする方法

手術の方法や再発については専門医とご相談ください。

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