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痔瘻について

痔瘻とは生まれつきできるものではなく、後天的に形成される肛門の内部と交通の在る瘻管、瘻孔のことです。直腸肛門周囲膿瘍(肛門の周りに膿がたまる病気)は破れて膿が出た後に瘻孔(ろうこう・穴のこと)を形成して痔瘻となります。

痔瘻のイメージ画像です。

発生原因

痔瘻の原因は、肛門の入り口から約2cm奥のところにある肛門小窩(全周性にある米粒大のくぼみ)より細菌が進入して、括約筋の間にある肛門腺(肛門に粘液を出す管)に感染して起こることが多いのですが、切れ痔や肛門内の異物(魚の骨や串など)による肛門の損傷部位の感染によって起こることもあります。また、肛門の中からではなく、肛門周囲の皮膚の炎症から痔瘻となることもあります。そのほかに、結核や性病、子宮内膜症、潰瘍性大腸炎などからも起こることがあります。

痔瘻は一般的に男性に多く、女性の5〜6倍です。年齢は比較的壮年者に多い傾向がありますが、乳幼児から老人までどの年齢に出ても不思議ではありません。肥満している方に多く見られます。 また、便秘よりも下痢が誘引となることが多く見られます。

進展形式

細菌は肛門内に在るポケット状の肛門小窩から侵入します。肛門小窩は全周で5〜7個ありますが、細菌の感染を受けるものは後方のものが最も多く、全体の約 75%を占めています。ついで前方で約13%、側方は比較的まれです。

侵入した細菌は、括約筋を貫いている管から肛門腺に至り炎症を起こします。この炎症を原発巣といいます。原発巣に生じた炎症は周囲に広がり、各筋肉の間に広がります。特に後方に発生した炎症は左右上下に広がりやすい性質を持っています。

症状

炎症の進んだ直腸肛門周囲膿瘍の場合は非常に強い痛みがあり、発熱を伴うときも在ります。
しかし、外科的に切開したり、自然に破れて膿が出た後は速やかに痛みは消退します。

しかし、その後瘻孔を形成して痔瘻となると、膿汁が流出します。膿汁の流出は持続的ではなく、多くは間欠的です。時には瘻孔が閉鎖して一見治癒したように見えることもありますが、体調が万全でなく抵抗力の弱ったときに炎症が再発して、肛門周囲膿瘍となり、その後排膿するといったことを繰り返すことが多く見られます。また、しこりとなってふれたり、肛門が狭くなったりする場合もあります。

診断

診断には肛門診察用の特殊な機材が必要な場合があるため、専門の医者にかかる必要があります。また、女性の場合、婦人科疾患との関係を見る必要もあります。

治療

痔瘻は全身状態が悪く手術に耐えない等の場合をのぞき、原則的に外科的手術の適応となります。その基本は、細菌の侵入した肛門小窩と原発巣の切除が中心となります。その際、括約筋の機能をできるだけ温存した手術法が必要となります。

癌化

痔瘻は、長期にわたって放置しておくとまれに癌化することがあります。通常10年以上経過している痔瘻で、炎症、排膿を繰り返していたものが、排膿後も痛みが持続したり、膿ではなく粘液性や血性の滲出液を流出しだしたり、しこりが急に硬くなったりしたときは注意が必要です。

治療及び手術適応

手術が嫌で民間療法を含めいいかげんな治療を行うと、癌には至らなくても、痔瘻の瘻管が枝分かれし、肛門括約筋を大きく損傷することがあります。また、あまりに重篤な場合ですと、人口肛門等の大きな手術が必要となります。

以前は肛門括約筋を大きく傷つけて便の垂れ流し等が見られることもありましたが、現在は肛門括約筋の温存手術によりそのようなことはほとんどなくなりました。しかし、そのためには早期発見早期治療が必要です。痔瘻が疑われる場合は、速やかに専門医を受診し、十分な検査と治療を受けてください。

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