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裂肛(切れ痔)について

肛門から直腸下部にいたる肛門の内部に生じた裂創及び潰瘍性の病変を裂肛と呼びます。内括約筋の攣縮(れんしゅく・けいれんして縮まること)を伴い、肛門狭窄を合併することもよくあります。 男女比は1:5〜6で女性に多く、また若い人に多い病気です。

裂肛(切れ痔)のイメージ画像です。

発生原因

未だに十分解明されていませんが、固く大きな便を排出することによる機械的な損傷が、何らかの要因によって治癒が遷延される外傷説と、肛門腺窩の炎症によって生じるとする感染説の2説があります。また、肛門部の潰瘍性病変には、他の病気によって起こる場合もあるため注意が必要です。

症状

潰瘍 多くは肛門後方にできますが、女性では1/3が前方にできます。
疼痛 排便時、排便後に激しい痛みを伴います。疼痛は1〜2時間から半日以上も続くことがあります。そのため社会生活に支障を来すこともまれではありません。
出血 創部より出血がありますが、痔核の出血ほど多くなく、紙に付着する程度です。
排便障害 排便時の疼痛の恐怖により排便障害が起こります。そのためますます便が固くなり、便秘がひどくなり悪循環に陥ることが多いです。

分類

急性裂創 固く大きな便を排出するなどの機械的損傷により起こる肛門の後部または前方の皮膚及び肛門上皮に見られる比較的浅い表在性で縦型の潰瘍です。排便の調整(緩下剤の投与など)と局所用の軟膏で通常2〜3日から1週間で治癒します。
慢性裂肛 固い便の排泄が続き、急性裂肛が再発を繰り返し、さらに括約筋の攣縮が加わると慢性の経過をとり、創部は難治性となり内括約筋の繊維化が進み二次病変が増大します。
随伴性肛門潰瘍 内痔核や大きな肛門ポリープなどが排便時に脱出することによって機械的な損傷を起こし、そのそばに潰瘍を形成します。この場合括約筋の緊張や肛門狭窄を伴わないのが特徴です。
他の病変による肛門潰瘍 梅毒、潰瘍性大腸炎、クローン病、ベーチェット病などの大腸直腸の炎症性疾患に付随する肛門部の潰瘍性病変もあります。

診断

若い女性、排便痛、便秘などの特徴により比較的容易に診断できます。
激痛のため診察することが困難な場合が多いので、局所用の麻酔剤を用います。
また、裂肛の内側にポリープ、外側に見張りいぼといわれる皮膚のたるみが見られることもあります。
肛門狭窄により診察のための器具や指の挿入が不可能な場合も多々あります。

治療及び手術適応

急性期の裂肛で表在性のものは保存的治療で治癒しますが、慢性の経過をとる難治性の潰瘍は外科的治療の対象となります。痔核などに併発した潰瘍は原因疾患の治療が必要です。手術の方法、入院の必要性などは専門医にご相談ください。

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